その瞬間に…
ちょっぴり冷たくなった風が頬を掠める
街路樹の脇に立つ僕の前を何人の人が通り過ぎただろう
毎朝の風景
僕は腕時計を見て
それからあの角を見て
待っている
僕はこの時間が好きだ
自転車に乗ってくるとーやと
その横をローラースケートでやってくるさくらちゃん
彼に会って僕の１日は始まる
昨日も一人で夕食を食べた
おじいちゃんもおばあちゃんも旅行好きだから
僕は学校があるから一緒に行けないけど････
･･･淋しくないと言えば嘘になるかな････
でも
僕にはとーやがいるから平気
「ゆきー」
遠くから大声で呼ばれる
ほら、来た来た
さくらちゃんは今日も元気そうだ
二人が僕の世界を彩る
「おはようございます！雪兎さん！」
「おはよう、さくらちゃん今日も元気だね」
「ゆき、今日はうちで晩飯食えよ。父さん、学会で留守だし、さくらと二人だしな。」
「うん！ありがとう。」
二人からかけられる声はなんて心地よく響くのだろう
ひょいと、とーやの自転車にまたがる
「よし、行くぞ！」
冬の近い街の中をとーやの背中を見て走る
さくらちゃんと色んな事を話しながら過ごすこの時間
大切な大切な僕の時間････
今日も１日が始まる
日生舞様から素敵なＳＳを頂戴してしまいました！
お二人の間に、何が起ってもどんな事があっても
やはり、ここが原点。
ここから全てが始まるんですわ〜〜！
近づいてくる桃矢君と、それを待つ雪兎さん。
「ほら」っていう雪兎さんの、かすかな高揚感。さまざまな予感を秘めた朝ですわ…。
日生様、本当にありがとうございました。(あ、さくらちゃんもいた…^_^;)
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